ジャーナリングの書き方と例文「何を書けばいい?」に答える実践ガイド

「なんとなく、だるい。理由はよくわからない。」
ジャーナリングは、こんな一行から始めてかまいません。

何を書いてもいいと言われると、かえって手が止まってしまうもの。
それは書く力が足りないからではなく、書き方の見本を知らないだけです。

この記事では、ジャーナリングの書き方の基本と始め方のステップ、テーマ別の例文をたっぷり紹介します。
気持ちを整理したいとき、自分を知りたいとき、朝と夜のルーティン、受け取ったサインを書き留めたいとき。
書き方に迷ったときに使えるお題30選もまとめたので、今日のノートの参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • ジャーナリングの書き方の基本と、正解がない理由がわかる
  • ゼロから始めるための4つのステップがわかる
  • 気持ちを整理したいときの例文がわかる
  • 自分を知りたいとき、受け取ったサインを書き留めたいときの例文がわかる
  • 朝・夜のルーティンの例文と、書き方に迷ったときのお題30選がわかる
目次

ジャーナリングの書き方の基本:まず「正解はない」と知っておく

例文を見る前に、ジャーナリングの書き方の基本を押さえておきましょう。
いちばん大切なのは、「正しい書き方はない」と知っておくことです。

「出来事」よりも「気持ち」を書く

ジャーナリングで書くのは、その日に起きた出来事の記録ではありません。
今の気持ちや考え、体の感覚など、自分の内側に浮かんでいることを、そのまま書き出していきます。

「会議があった」ではなく、「会議の前、胃のあたりが重かった」。
出来事にふれるときも、そのとき自分がどう感じたかに目を向けるのがコツです。
ジャーナリングの意味や日記との違いは、ジャーナリングとは?意味・語源・やり方・日記との違いをやさしく解説で詳しく紹介しています。

手書きでもデジタルでもかまわない

ノートに手で書いても、スマホのメモやパソコンに打ちこんでも、ジャーナリングはできます。
手書きは書くスピードがゆっくりになるぶん、気持ちと向き合いやすいという声も。
一方で、思いついたときにすぐ書けるのはスマホの強みです。

大切なのは、続けやすい方法を選ぶこと。
迷ったら、まずは手書きで試してみてください。

書けなくて当たり前

ノートを開いても何も浮かばない、数行で手が止まってしまう。
始めたばかりのころは、誰にでもあることです。

書けないときは、「何も思いつかない」とそのまま書いてしまいましょう。
「何も思いつかない。窓の外が少し明るい。お腹がすいてきた。」
そんなふうに、今気づいたことを書いているうちに、少しずつ手が動き出します。

ゼロから始めるジャーナリングの書き方4ステップ

ここからは、ジャーナリングを始めるための具体的なステップを紹介します。
初めての方は、この順番どおりに試してみてください。

ステップ1:ノートと時間を用意する

用意するのは、ノートとペンだけです。
次に、書く時間を決めましょう。
朝起きてすぐ、昼休み、寝る前など、毎日の暮らしのなかで自然に手がとまる時間がおすすめです。

最初は5分あれば十分。
ノートを開く時間を決めておくだけで、「いつ書こう」と迷わずにすみます。

ステップ2:テーマを決めるか、決めないかを選ぶ

ジャーナリングには、テーマを決めずに浮かんだことを書く方法と、問いかけ(お題)をひとつ決めて答える方法があります。

何を書けばいいか迷う方は、お題を決めるほうが書き始めやすいでしょう。
この記事の後半で紹介するお題30選から、気になるものをひとつ選んでみてください。
慣れてきたら、お題なしで書く日もつくってみると、思いがけない本音に出会えることがあります。

ステップ3:時間を決めて、手を止めずに書く

タイマーをセットしたら、時間がくるまで手を止めずに書き続けます。
誤字脱字や文章のうまさは、気にしなくてかまいません。

「こんなことを書いていいのかな」と思っても、そのまま書いてしまうこと。
頭の中で整えずに書くほど、自分でも気づいていなかった気持ちが出てきやすくなります。

ステップ4:書いたものの扱い方を決める

書き終えたあと、読み返すかどうかは自由です。
読み返すと自分の変化に気づけますし、読み返さずに閉じても効果がなくなるわけではありません。

人に見られるのが心配なら、書いたページを破って捨ててもかまわないのです。
最後に一行だけ、「書いてみて、今どんな気持ち?」と書き足すと、書く前との違いに気づきやすくなります。

気持ちを整理したいときのジャーナリング例文

ここからは、テーマ別の例文を紹介します。
例文はあくまで見本なので、自分の言葉に置きかえて書いてみてください。

モヤモヤしているとき

朝から、なんとなく気持ちが重い。
昨日、同僚に「それ、まだ終わってないの?」と言われたのが引っかかっている気がする。
言い方がきつかった、というより、がんばっていたのに気づいてもらえなかったのが悲しかったのかもしれない。
本当は「大変だったね」と言ってほしかった。
書いてみたら、少しだけ胸のつかえがとれた。

モヤモヤの正体は、書いているうちに見えてくることがよくあります。
最初は「なんとなく」のままでかまいません。
「なぜだろう」と自分に問いかけながら書き進めてみてください。

イライラしたとき

今、すごくイライラしている。
家族が、頼んでいたことをまた忘れていた。
腹が立つ。何度言えばわかるの、と思う。
でも、本当に怒っているのは、私ばかりが家のことを抱えている気がするからかもしれない。
疲れているんだな、私。
明日、手伝ってほしいことを落ち着いて伝えてみよう。

怒りの感情は、まず書き殴るように吐き出してかまいません。
吐き出したあとで、「本当はどうしてほしかったのか」に目を向けると、怒りの奥にある気持ちが見えてきます。

不安で眠れない夜

明日のことを考えると、眠れない。
不安なことを全部書き出してみる。
・朝の打ち合わせでうまく話せるか
・頼まれた資料が間に合うか
・最近、体が疲れやすいこと
書き出してみたら、3つだけだった。
資料は朝いちばんに15分やれば間に合う。
打ち合わせは、話すことをメモしておけば大丈夫。
今夜できることは、もうない。あとは眠るだけ。

頭の中で不安がふくらんでいるときは、箇条書きで書き出すのがおすすめです。
数えてみると、思っていたより少ないことに気づくもの。
「今できること」と「今はできないこと」に分けると、気持ちが落ち着きやすくなります。

落ち込んでいる日

今日は何もできなかった。
朝から体が重くて、予定していたことの半分もできていない。
自分はだめだな、と思ってしまう。
それでも、今日できたことを探してみる。
・ごはんを食べた
・洗濯物をたたんだ
・今、こうしてノートを開いている
何もできなかったわけじゃなかった。

落ち込んでいる日は、無理に前向きなことを書かなくて大丈夫です。
つらい気持ちをそのまま書いたあとに、「それでもできたこと」を小さく書き足してみてください。
気分の落ち込みが長く続くときは、ひとりで抱えこまずに、医療機関や相談窓口を頼ることも大切です。

自分を知りたいとき・サインを書き留めたいときの例文

ジャーナリングは、自分を深く知るための道具にもなります。
自分の価値観やこれからの望みに目を向ける例文と、日々受け取るサインを書き留める例文を紹介します。

自分が大切にしていることを知りたいとき

問い:私が本当に大切にしていることは何?
ひとりでぼーっとする時間がないと、すぐに疲れてしまう。
人に合わせてばかりいると、夜になってぐったりする。
逆に、好きなことを好きなペースでしている日は、心が軽い。
私が大切にしたいのは、「自分のペース」と「自分に正直でいること」なのかもしれない。

問いをひとつ決めて、思いつくことを書き並べていくと、共通点が見えてきます。
最後に「つまり私は〜を大切にしている」とまとめてみると、自分の価値観がはっきりしてきます。
さらに深く自分を知りたい方は、自己理解ワークシート【無料PDF・印刷できる】:自分を深掘りする15の質問と書き方のコツも参考にしてみてください。

やめたいことを見つけたいとき

問い:本当はやめたいのに、続けていることは?
・気が乗らない集まりに、毎回顔を出すこと
・寝る前に、なんとなくSNSを見続けること
・「いい人」でいようとして、頼まれごとを全部引き受けること
全部すぐにやめるのは難しい。
でも、寝る前のSNSだけは、今夜からやめてみてもいいかもしれない。

やめたいことを書き出すと、自分が何に疲れているのかが見えてきます。
すべてをすぐに変える必要はありません。
いちばん小さなことをひとつ選んで、試してみるところから始めましょう。

1年後の自分を描きたいとき

問い:1年後、どんな気持ちで毎日を過ごしていたい?
朝、あわてずに温かいお茶を飲んでいる。
仕事は今より少し減らして、そのぶん、好きなことに使う時間がある。
誰かと比べて落ち込むことが減って、「まあ、これでいいか」と思えている。
そのために、今日からできることは何だろう。
まずは、朝10分早く起きることから。

未来を書くときは、「何をしているか」だけでなく「どんな気持ちでいるか」を書くのがポイントです。
最後に「そのために今日できること」をひとつ書き添えると、未来と今がつながっていきます。

受け取ったサインを書き留めたいとき

今日、同じ数字を3回も見た。
朝、時計を見たら11:11。電車の時刻も、レシートの合計も11だった。
偶然かもしれないけれど、なんだか「大丈夫だよ」と言われている気がした。
ちょうど、新しいことを始めようか迷っていたところ。
この感覚を、覚えておきたい。

気になる偶然や、ふと心に残った出来事は、その日のうちに書き留めておきましょう。
「何が起きたか」と「そのとき何を感じたか」をセットで書くのがコツです。
あとから読み返すと、サインが重なっていた時期や、その後の変化に気づけることもあります。
日常のできごとからメッセージを受け取る考え方は、シンクロニシティとは?意味と例、起きる理由とスピリチュアルな受けとり方で紹介しています。

朝・夜のルーティンに使える例文

ジャーナリングを毎日の習慣にしたい方は、朝や夜のルーティンに組みこむのがおすすめです。
時間帯ごとの例文を紹介します。

朝のジャーナリング

起きたとき、少し体が重かった。昨日は寝るのが遅かったからかな。
今日の楽しみは、夜に録画していたドラマを見ること。
午後の打ち合わせが少し不安。
今日は「焦らない」を意識して過ごそう。

朝は、今の体と気持ちの状態、今日の楽しみ、気になっていること、今日の過ごし方の意図を書くのが基本です。
頭の中のものを書き出してから一日を始めると、気持ちがすっきり整います。

夜のジャーナリング

今日は疲れた。午後はずっとバタバタしていた。
でも、昼休みに同僚と話した何気ない雑談が楽しかった。
気になっていた打ち合わせも、思ったよりうまくいった。
明日は、朝ゆっくりコーヒーを飲みたい。
おやすみなさい、今日の私。

夜は、その日に感じたことを振り返り、手放してから眠りにつくための時間です。
疲れたことだけでなく、小さなうれしいことを一緒に書くと、穏やかな気持ちで一日を終えられます。

時間がない日の「3行ジャーナリング」

・今の気持ち:少し疲れているけれど、ほっとしている
・今日よかったこと:帰り道の夕焼けがきれいだった
・明日の自分へ:無理しすぎないでね

忙しい日は、3行だけでも十分です。
「今の気持ち」「今日よかったこと」「明日の自分へのひと言」の3つを、決まった形で書いてみてください。
書く内容が決まっていると、疲れている日でも続けやすくなります。

書き方に迷ったときの「お題」30選

何を書けばいいか迷ったときは、次のお題からひとつ選んで書いてみましょう。
答えはひと言でもかまいません。

気持ち・体の感覚から入るお題

  1. 今、いちばん強く感じている気持ちは?
  2. 今日、心がふっと動いた瞬間は?
  3. 最近、モヤモヤしていることは?
  4. 体のどこかに、こわばっているところはある?
  5. 今、いちばん休みたいのは体? それとも心?
  6. 最近、うれしかったことは?
  7. 最近、悲しかったことは?
  8. 今、誰かに言いたいけれど言えていないことは?
  9. 今日、自分をほめるとしたら?
  10. 今、手放したいことは?

自分の価値観を掘り下げるお題

  1. 時間を忘れて夢中になれるのは、どんなとき?
  2. 人からよく頼まれることは? それは好きなこと?
  3. 子どものころ、好きだった遊びは?
  4. 「これだけは譲れない」と思うことは?
  5. 最近、うらやましいと感じた人は? その人の何がうらやましかった?
  6. 苦手な人の、どんなところが苦手?
  7. お金や時間の心配がなかったら、何をしたい?
  8. 誰といるときの自分が好き?
  9. 本当はやめたいのに、続けていることは?
  10. 自分にとって「心地いい暮らし」とは?

今日・過去・未来に向けたお題

  1. 今日いちばん印象に残ったことは?
  2. 今日、ありがたいと感じたことを3つ挙げるなら?
  3. 1年前の自分に、声をかけるとしたら?
  4. これまでの人生で、乗り越えてよかったと思う出来事は?
  5. 最近、気になっている偶然やサインは?
  6. 1年後、どんな気持ちで毎日を過ごしていたい?
  7. 10年後の自分から、今の自分に手紙を書くとしたら?
  8. 今年のうちに、やってみたいことは?
  9. 明日の自分に、ひと言かけるとしたら?
  10. 今日の自分に、「おつかれさま」以外の言葉をかけるとしたら?

よくある質問

Q. ジャーナリングは毎日やらないといけませんか?
A. 毎日でなくても大丈夫です。
週に数回でも、モヤモヤしたときだけでも、気持ちを整理する助けになります。
「書きたいときに戻ってこられる場所」くらいに考えておくと、気持ちが楽になるでしょう。

Q. 例文のとおりに書かないといけませんか?
A. いいえ、例文はあくまで見本です。
書く順番や長さは、自由に変えてかまいません。
例文の書き出しだけ借りて、続きは自分の言葉で書いてみてください。

Q. ネガティブなことばかり書いてしまいます。大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。
ネガティブな気持ちを書き出すことは、心の中にたまったものを外に出すことでもあります。
書き終えたら、最後に「それでもできたこと」や「ほっとしたこと」を一行だけ書き添えると、気持ちを切り替えやすくなります。

Q. 書いたあとは、どうすればいいですか?
A. 読み返しても、読み返さなくてもかまいません。
人に見られるのが心配なら、破って捨てても大丈夫です。
しばらくたってから読み返すと、自分の変化や、くり返しているパターンに気づけることもあります。

Q. 1回に何分くらい書けばいいですか?
A. 5〜10分ほどから始めるのがおすすめです。
時間がない日は、3行ジャーナリングのように数行だけでもかまいません。
慣れてきたら、15〜20分ほどまで少しずつのばしてみてください。

まとめ:書き方より「書き始めること」が大切

この記事について、あらためて整理します。

この記事のまとめ:

  • ジャーナリングに正しい書き方はなく、出来事よりも「そのとき感じた気持ち」を書くのが基本
  • 始め方は、ノートと時間を用意する→テーマを決めるか選ぶ→手を止めずに書く→書いたものの扱いを決める、の4ステップ
  • モヤモヤ・イライラ・不安・落ち込みなど、気持ちに合わせた例文を見本にすると書き始めやすい
  • 自分の価値観や1年後の自分を書く例文、受け取ったサインを書き留める例文も活用できる
  • 朝・夜のルーティンや、忙しい日の3行ジャーナリングにすると習慣にしやすい
  • 書き方に迷ったら、お題をひとつ選んで答えるところから始める

ジャーナリングは、きれいな文章を書くためのものではありません。
今の自分の気持ちに気づき、そっと受け止めてあげるための時間です。

今日はこの記事の例文やお題から、気になるものをひとつ選んでみてください。
ノートに書いたその一行が、自分と向き合うはじまりになります。

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