体がだるい原因と対処法:考えられる病気、病院に行く目安、だるさを取る方法

朝起きた瞬間から、体が重い。
とくに何かをしたわけでもないのに、力が入らず、動き出すまでに時間がかかる。
そんなだるさが何日も続くと、「ただの疲れなのか、どこか悪いのか」と不安になってくるものです。

体のだるさには、睡眠や食事などの生活習慣から、病気やホルモンの変化まで、さまざまな原因があります。
この記事では、だるさの主な原因を整理したうえで、病院に行ったほうがよい目安と、自分でできる対処法を紹介します。

この記事でわかること
  • ふつうの疲れと、気をつけたいだるさの違いがわかる
  • 生活習慣からくるだるさの原因がわかる
  • だるさの裏に隠れていることがある病気や、ホルモン・心の変化がわかる
  • 病院に行く目安と、受診するときに伝えるとよいことがわかる
  • だるいときに自分でできる対処法がわかる
目次

体がだるいとは:ふつうの疲れとの違い

「だるい」は、日常でよく使う言葉です。
まずは、どんなだるさなら様子を見てよく、どんなだるさに気をつけたいのかを整理しておきます。

だるさは「体が重く、動く気力がわかない状態」

体のだるさは、医療の言葉では「倦怠感(けんたいかん)」と呼ばれます。
体が重い、力が入らない、何をするのもおっくうといった感覚が、主な特徴です。

似た症状に、眠気や筋力の低下があります。
眠気は睡眠が足りないときに出るもので、筋力の低下は「動かそうとしても動かしにくい」状態のこと。
だるさは、こうした症状とは少し違い、「動けるけれど、動く気力や体力がわかない」感覚に近いものです。

ふつうの疲れと、気をつけたいだるさ

運動したあとや、睡眠不足、ストレスが続いたあとに疲れを感じるのは自然なことです。
こうした疲れは、休めば少しずつ回復していきます。

MSDマニュアル家庭版「疲労感」によると、気をつけたいのは、疲れが強くなってきた場合や、以前は疲れなかったことで疲れるようになった場合です。
休んでも回復しない、思い当たる理由がないのにだるい、といったときは、何かの病気が関わっていることもあります。

だるさが続いている期間で見る

MSDマニュアル家庭版「疲労感」では、疲れが続いている期間を、次の3つに分けて考えています。

1か月未満:最近のだるさ
薬の副作用や貧血、ストレス、うつ病などが原因として挙げられています。

1〜6か月:長引くだるさ
糖尿病や甲状腺の病気、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠の病気が、原因になることがあります。

6か月以上:慢性的なだるさ
慢性疲労症候群や、うつ病などの心の病気が関わることがあります。

だるさがいつから続いているかは、病院で症状を伝えるときにも役立ちます。
「いつごろから」を思い出せるようにしておきましょう。

生活習慣からくるだるさの原因

だるさの原因でまず考えたいのが、毎日の生活習慣です。
思い当たるものがないか、ひとつずつ振り返ってみてください。

睡眠が足りない、または質がよくない

睡眠時間が足りない日が続くと、体の疲れが回復しきらず、だるさとして残ります。
時間は足りていても、夜中に何度も目が覚める、眠りが浅いと感じるときは、睡眠の質が下がっているのかもしれません。

寝る前のスマホやカフェイン、寝室の明るさなども、眠りの質に影響します。
睡眠を整える方法は、睡眠の質を高める方法|厚生労働省のガイドに沿った生活習慣と寝室の整え方でくわしく紹介しています。

体を動かさない時間が長い

意外に思えるかもしれませんが、体を動かさなさすぎることも、だるさにつながることがあります。
一日中座りっぱなしだったり、休日をずっと横になって過ごしたりすると、かえって体が重く感じることは少なくありません。

「だるいから動かない、動かないからさらにだるい」という悪循環に入っていることも。
体調に問題がなければ、軽い散歩やストレッチから少しずつ体を動かしてみるとよいでしょう。

食事の偏りや、食事を抜くこと

朝ごはんを抜く、忙しくて菓子パンだけですませる、といった食事が続くと、体を動かすためのエネルギーや栄養が足りなくなります。
とくに、たんぱく質や鉄分、ビタミンが不足すると、だるさにつながりやすくなるでしょう。

だるいときに取り入れたい食べ物は、疲労回復によい食べ物・飲み物:疲れたときに食べたいものと、コンビニで選ぶコツにまとめています。
食事の量そのものが減っている、食べられない状態が続いているときは、別の原因も考えられるので注意が必要です。

ストレスや季節の変わり目

仕事や家庭でのストレスが続くと、心だけでなく体にもだるさとして現れることがあります。
気温の差が大きい季節の変わり目や、冷房と暑さを行き来する夏も、体が重く感じやすい時期といわれます。

こうしたときは、体の働きを調整している自律神経のバランスが乱れやすくなっています。
整え方は、自律神経を整える方法:乱れたときの症状と、今日からできる整え方で紹介しています。

だるさの裏に隠れていることがある体の病気

生活を見直してもだるさが続くときは、体の病気が関わっていることもあります。
ここでは、だるさが症状として現れることがある代表的な病気を紹介します。
自分で判断せず、気になるときは医療機関で調べてもらいましょう。

貧血(鉄欠乏性貧血)

貧血は、だるさの原因としてよく知られています。
MSDマニュアル家庭版「鉄欠乏性貧血」によると、主な症状は疲れやすさやだるさ、息切れ、顔色が青白くなることなどです。

月経のある女性では、月経による出血がいちばん多い原因とされています。
月経のない人や男性では、胃や腸からの出血が隠れていることもあるため、検査で原因を確かめることが大切です。
症状は数か月かけてゆっくり進むので、自分では気づきにくいのも特徴です。

甲状腺の働きが弱くなる病気(甲状腺機能低下症)

甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを出している器官です。
その働きが弱くなる甲状腺機能低下症では、だるさや疲れやすさ、寒さに弱くなる、体重が増える、便秘、肌の乾燥などの症状が現れます(MSDマニュアル家庭版「甲状腺機能低下症」)。

女性や高齢の人に多い病気です。
症状が少しずつ現れるため、うつ病と間違われることもあるといわれています。
血液検査で調べられるので、だるさと一緒に寒がりや体重の増加が気になるときは、医師に相談してみてください。

糖尿病や睡眠の病気

MSDマニュアル家庭版では、1〜6か月ほど続くだるさの原因として、糖尿病や、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠の病気も挙げられています。

睡眠時無呼吸症候群は、眠っているあいだに呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
しっかり寝たはずなのに日中に強い眠気やだるさがある、家族に大きないびきを指摘された、というときは、この病気が隠れていることがあります。

薬の副作用や、感染症のあと

飲んでいる薬の副作用で、だるさが出ることもあります。
新しい薬を飲み始めてからだるくなったと感じたら、自己判断でやめずに、医師や薬剤師に相談してください。

かぜやインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などのあとに、だるさがしばらく続くこともあります。
長引くときは、医療機関で相談しましょう。

心やホルモンの変化からくるだるさ

だるさは、体だけでなく、心の状態やホルモンの変化から生まれることもあります。
自分では気づきにくい原因なので、知っておくと早めに手を打ちやすくなります。

ストレスやうつ病

強いストレスが続いたり、うつ病になったりすると、気分の落ち込みだけでなく、体のだるさとして現れることがあります。
厚生労働省「こころの耳」のうつ病のページでは、うつ病の症状として、気分の落ち込みや、興味がわかなくなること、食欲の低下、眠れないことなどが挙げられています。

だるさと一緒に、気分が晴れない、何をしても楽しくない、眠れないといった状態が続いているなら、心の疲れが関わっているのかもしれません。
こうしたときは、ひとりで抱えずに、医療機関や相談窓口を頼ってください。

更年期によるホルモンの変化

40代後半から50代にかけての女性では、更年期によるホルモンの変化が、だるさの原因になることがあります。
鳥取県の更年期についてのページによると、更年期は閉経をはさんだ約10年間で、一般的には45〜55歳ごろです。

代表的な症状はのぼせやほてりですが、だるさや疲れやすさ、手足の冷え、不眠、気分の落ち込みなどが現れることもあります。
症状の出方には個人差が大きく、日常生活に支障が出るほど強い場合は「更年期障害」と呼ばれます。
つらいときは、ひとりで我慢せず婦人科で相談してみてください。

慢性疲労症候群(ME/CFS)

原因のわからない強いだるさが長く続く「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」という病気もあります。
大阪府の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群についてのページによると、それまで健康だった人に、日常生活に支障が出るほどの強い倦怠感が続く病気です。

少し動いただけで24時間以上だるさが続く、微熱やのどの痛み、筋肉や関節の痛み、集中力の低下などが重なる、といった特徴があります。
こうした症状が6か月以上続いたり、くり返したりするときに疑われる病気です。

病院に行く目安と、受診するときのポイント

だるさだけで病院に行ってよいのか、迷う人も多いでしょう。
受診を考えたほうがよい目安と、受診するときに役立つことを紹介します。

すぐに受診したいサイン

だるさと一緒に、次のような症状があるときは、早めに医療機関を受診してください。
MSDマニュアル家庭版「疲労感」で、注意が必要なサインとして挙げられているものです。

  • ダイエットをしていないのに、体重が減り続けている
  • 熱が長く続く、寝汗をかく
  • 首や脇の下など、体のあちこちのリンパ節が腫れている
  • 血を吐いた、便に血が混じる、便が黒い
  • 息切れがひどい
  • 「死にたい」と考えてしまう

「死にたい」という気持ちがあるときは、ひとりで抱えずに、すぐに医療機関や厚生労働省「まもろうよ こころ」に載っている電話相談窓口に相談してください。
また、高齢の人のだるさは、年齢のせいとは限りません。
ほかに症状がなくても、できるだけ早めに受診しましょう。

様子を見てよいとき、受診したほうがよいとき

かぜなどに伴うだるさや、1週間ほどで治まるだるさは、多くの場合、休めば回復していきます。
一方で、休んでもよくならない、だるさが長引いている、思い当たる原因がない、というときは受診を考えてください。

1週間ほどたってもよくならないときや、仕事や家事など日常生活に支障が出ているときは、一度相談しておくと安心です。
「この程度で行っていいのかな」と迷うようなら、それ自体が相談のきっかけになります。

何科に行けばいい?伝えるとよいこと

どの科に行けばよいかわからないときは、まずは内科やかかりつけ医に相談するとよいでしょう。
必要に応じて、ほかの科を紹介してもらえます。
気分の落ち込みが強いときは心療内科や精神科、更年期の症状が気になるときは婦人科も選択肢になります。

受診するときは、次のことをメモしておくと、医師に伝えやすくなります。

  • だるさがいつから続いているか
  • 一日の中で、だるさが強くなる時間帯や場面
  • 睡眠時間や食欲、体重の変化
  • だるさ以外の症状(熱、息切れ、冷え、気分の落ち込みなど)
  • 飲んでいる薬やサプリメント
  • 女性の場合は、月経の状態

だるいときに自分でできる対処法

病気が原因でなければ、生活を少し整えるだけで、だるさが軽くなることもあります。
無理のない範囲で、できそうなことから試してみてください。

まずは休む、睡眠を整える

だるさは、体が「休んでほしい」と出しているサインでもあります。
予定を少し減らして、まずはしっかり休む時間をとりましょう。

休日に寝だめをするより、毎日なるべく同じ時間に寝て起きるほうが、体のリズムは整いやすくなります。
寝る前はスマホを控えめにして、部屋を暗めにして過ごすのがおすすめです。

軽く体を動かす

体調に問題がなければ、軽く体を動かすことも、だるさを和らげる助けになります。
近所を10分ほど歩く、座ったままで首や肩を回す、といった小さな動きで十分です。

いきなり激しい運動をする必要はありません。
「少し気持ちいい」と感じるくらいで止めておくのが、続けるコツです。
少し動いただけでだるさがひどくなる場合は、無理をせず、医療機関に相談してください。

食事と水分をとる

食欲がないときでも、少しずつ食べられるものを口にしましょう。
ごはんやパンなどの主食に、卵や豆腐などのたんぱく質を組み合わせると、エネルギーと栄養をとりやすくなります。

水分が足りないことも、だるさにつながります。
のどが渇く前に、こまめに水やお茶を飲むようにしてみてください。

だるさの記録をつける

だるさが続いているときは、簡単な記録をつけておくのもおすすめです。
寝た時間、食事、だるさの強さ(5段階など)、気づいたことを、1日1行メモするだけでかまいません。

記録を見返すと、「寝不足の翌日は特にだるい」「月経の前後に重くなる」といったパターンが見えてくることがあります。
病院に行くときにも、そのまま医師に見せられるので役立ちます。

よくある質問

Q. 体がだるいのに、検査で異常がないと言われました。どうすればいいですか?
A. 検査で異常がなくても、だるさを感じているのは本当のことです。
睡眠や食事、ストレスなどの生活面を見直しながら、だるさが続くときは、もう一度医師に相談してみてください。
気分の落ち込みもあるときは、心療内科で相談するのも1つの方法です。

Q. だるいとき、栄養ドリンクを飲めば治りますか?
A. 栄養ドリンクで一時的に楽に感じることはありますが、だるさの原因そのものがなくなるわけではありません。
だるさが続くときは、休養や睡眠、食事を整えることを優先し、それでもよくならなければ受診を考えましょう。

Q. 毎年、季節の変わり目になると体がだるくなります。
A. 気温の差が大きい時期は、体の調子を整える自律神経に負担がかかりやすいといわれています。
睡眠や食事のリズムを整え、服装で温度差を調整してみてください。
例年よりだるさが強い、長引くといったときは、ほかの原因がないか医療機関で確かめておくと安心です。

Q. 「疲れ」と「だるさ」は違うものですか?
A. 日常ではほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。
この記事では、体が重く、動く気力がわかない状態を「だるさ」として扱っています。
寝ても疲れが取れないときの過ごし方は、別の記事でくわしく紹介しています。

まとめ:だるさが続くときは、体の声に耳を傾けて

この記事について、あらためて整理します。

この記事のまとめ:

  • 体のだるさは、休めば回復する疲れもあれば、病気が関わっていることもある
  • 睡眠不足や運動不足、食事の偏り、ストレス、季節の変わり目など、生活習慣からくるだるさは多い
  • 貧血や甲状腺の病気、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などが、だるさの原因になることもある
  • うつ病や更年期、慢性疲労症候群など、心やホルモンの変化が関わることもある
  • 体重が減る、熱が続く、血便があるなどのサインがあるときや、だるさが長引くときは早めに受診する
  • 休む、軽く動く、食事と水分をとる、記録をつけることが、自分でできる対処法

だるさは、体が出している大切なサインです。
「気のせい」と我慢しすぎず、まずは自分の体をいたわる時間をつくってみてください。

それでもよくならないときは、迷わず医療機関に相談を。
原因がわかるだけでも、気持ちがずっと軽くなることがあります。

▶[疲れが取れないときの対処法:寝ても疲れが取れない原因と、今日からできる疲労回復の方法] では、寝ても疲れが残るときの原因と、仕事中にもできる疲れの取り方を紹介しています。
▶[眠れないときの対処法|寝れない夜にすぐ試せる方法と、寝つきが悪くなる原因] では、だるさの原因になりやすい寝つきの悪さへの対処法をまとめています。
▶[腹式呼吸の正しいやり方:うまくできないときのコツと、呼吸が浅いときの整え方] では、体の力を抜いて心身を落ち着かせる呼吸のやり方を解説しています。

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